まだ請求できないのですか?


質問
先日、交通事故に遭ってしまいました。かなり大きな怪我で、現在の自宅の状態では生活ができないので、家のリフォームも必要になりそうです。交通事故に詳しい知人からは、治療が終わらないと賠償金がいくらになるかわからないから請求できないのではないかと言われています。できれば今すぐに事故の相手方から賠償金を払ってもらって、すぐにでも自宅のリフォームをお願いして、退院までには自宅をリフォームしておきたいです。怪我が完治するまでは気の遠くなるような時間がかかりそうですし、そもそも完治するかもわかりません。そんな先まではとても待っていられません。今すぐに加害者に賠償金の支払いを請求することはできないのでしょうか?
 

回答
賠償金の総額は、現代の医療的水準に従った治療によって回復する限度を迎えた状態(「症状固定」と言います。)にならないと確定しません。したがって、今すぐに加害者に賠償金全額の支払いを求めることは困難です。
 

●完治と症状固定

完治(交通事故によって負った怪我が治り、交通事故前と同様の健康状態になること)と前記の症状固定とは異なるものです。
そして後遺障害の慰謝料は、症状固定時になお残っている症状に応じて算定されるという取扱いがなされています。
交通事故などによって怪我をした場合、後遺障害の慰謝料請求の問題があるので、実務上一般的には前記の症状固定の後に損害賠償請求を行います。

●消滅時効

さて、交通事故との関係でよく問題となることとして時効と呼ばれる問題があります。たとえば貸したお金の請求権の時効期間は10年ですが、交通事故などの不法行為によって生じた損害の賠償請求権は、加害者及び損害を知ったときから3年間とされています(民法724条)。

なお、平成22年3月31日までに発生した交通事故の場合、自賠責保険の被害者請求権は2年で時効消滅してしまいますので注意が必要です(平成22年4月1日以降の交通事故についての時効期間は3年です)。

●本件の場合

本件の場合であれば、緊急にお金が必要ということですから、賠償金の先払いというかたちでお金を支払ってもらい、不足分については症状固定後に賠償金額が確定した段階で支払ってもらうよう交渉してはいかがでしょうか。


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