会社にいる時間はすべて労働時間なのですか?


質問
当社は、会社の出退勤の時間をタイムカードで管理しており、会社の従業員用出入口にタイムカードの機械を置き、出社した時と退社した時にタイムカードで記録するようにしています。ただ、残業する場合には上司の許可を得る必要があるので、個別に残業時間を出勤簿に記録するようにしており、残業代は出勤簿の記録に基づいて支払っています。ところが最近、従業員の一部からタイムカードの出退勤の時間に比べて残業代が少ないという声が出始めているようです。残業代は出勤簿ではなく、タイムカードで記録された時間に基づいて支払う必要があるのでしょうか?
 

回答
質問者の方の場合は、残業時間を出勤簿で記録しており、これが残業時間を正確に表していないなどの事情がない限り、出勤簿に記録された時間に基づいて残業代を支払えば足り、タイムカードで記録された時間に基づいて残業時間を計算して残業代を支払う必要まではないと考えます。
 

●社内滞留時間と労働時間

タイムカードで記録された時間から直ちに労働時間が決まるわけではありません。給料の支払いの基礎となる労働時間とは、会社の指揮監督の下に業務に従事する時間であると考えられています。質問者の方の会社の場合には、タイムカードで記録された時間は従業員の方が社内にいる時間(滞留時間)を示すものにすぎないようです。

●裁判例

裁判例でも、残業代が支払われるでき時間外労働とは、「管理者が時間外労働と命じた場合か、黙示的にその命令があったとみなされる場合で、かつ管理者の指揮命令下においてその命じたとおり時間外労働がなされた」場合としており、タイムカードは「出退勤の確認のため」のものであり、タイムカードの打刻時間を以て「管理者の指揮命令下にあった」とまでは言えないとしているところです(東京地判昭和63年5月27日)。

●タイムカードの打刻時間が労働時間となる場合

ただし、質問者の方の場合と異なり、タイムカードの打刻時間で労働時間を管理している場合には、タイムカードの打刻時間を労働時間として残業代等を計算する必要があります。この点、タイムカードの打刻時間で遅刻などを管理し、遅刻分の賃金カットを行っているような場合にはタイムカードの打刻時間が労働時間と判断される場合があるので注意が必要です(東京高判平成10年9月16日)。


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