懲戒解雇してよいのでしょうか?


質問
私の会社の社員が上司の目を盗んで勤務時間中にインターネット上のゲームを行ったり、あろうことか交際相手を募集する書き込みを行うなどの行為をしていたことが発覚しました。当社のクライアントには私立学校などの教育関係のクライアントも多く、今回の問題が発覚したのも学校関係者からの通報によるものでした。私としてはクライアントに対する信用と職場規律の両方の観点から、当該社員を懲戒せざるを得ないと考えています。今回の問題で当該社員を懲戒解雇してもよいものでしょうか?
 

回答
質問者の方の情報だけで懲戒解雇の可否についての結論を出すことは困難です。
 

懲戒解雇の要件

懲戒解雇をするためには、質問者の方の会社に就業規則があり、就業規則の中に懲戒の定めがあり、かつ従業員の方が就業規則の中の懲戒について知っていることが前提です(最判平成15年10月10日)。

懲戒解雇が有効となるためには、従業員の方の行為の性質及び態様その他の事情からして、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であることが必要です(労働契約法15条参照)。要件を満たさない場合には、懲戒解雇は権利濫用として無効と判断されます(最判昭和58年9月16日)。

本件の場合

本件のようなインターネットの私的利用については、会社と従業員との労働契約上、職務専念義務違反及び企業秩序遵守義務違反という観点から問題があると考えます。また、インターネットの私的利用においては、その態様によって会社の秘密保持義務違反ないし、会社と従業員との秘密保持義務違反についても追加で問題となる可能性があります。

本件の場合、以上の観点から懲戒解雇をすることが適当であるかを検討する必要があるでしょう。

裁判例の状況

裁判例では専門学校の教員が複数のいわゆる出会い系サイトに登録し、SMの相手を募集する書き込みを行い、かつ約5年間に合計1600件越のメールを送受信し、うち約半数については勤務時間中のものであった事案につき、裁判所は懲戒解雇を有効と判断しています(福岡高判平成17年9月14日)。ただし、この事件の原審である福岡地方裁判所久留米支部は、懲戒解雇は権利濫用により無効と判断しており、このような事案でも懲戒解雇が無条件に有効と判断されているものではないことに注意が必要です。


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